高校時代、突然、留学しようと決めました。

海外に憧れていました。 いつか留学しようと思っていました。

そんな中、留学ジャーナルという雑誌を図書館で読みふけっていて、ふと目に留まった記事、そこには英語脳、英語舌は、遅くとも高校時代に海外に出ていかないと難しい、という文章。 

単純な私は、それを見て、よし! 今行かねば!と思ったわけです。

昔から人見知りして気弱そうに見えながら、思い込みが強く、言い出したら曲げない部分がありまして、まずは両親に「海外に行かせてください、いや行きます」と宣言。これが高校2年生春。

言い出したら聞かないことは親もわかっていて「すべての手続きをすれば行ってよし」と言われ、いそいそと留学について調べ上げ、父の仕事関係で出張したこともあるオハイオ州に狙いを定め、どんな高校があるのかリサーチして、候補を3つに絞る。 当時、パソコンなど使えるわけでもなく、自宅のFAXで願書を出し、やり取りをひたすら、FAXから流れてくる紙を見守りながら慣れない英文を必死で読む。

学校の先生は、突然の私の奇行?に、驚きと心配が隠せないようで、せめて大学に行ってからにしたらどう?や高校は籍を置いたまま留学して、もしダメだったら帰るところを確保しておいたらどうだろう?とアドバイスをいただきました。 

ただね、ただね、私は断固としてこれを自分の道として選択しなかった。 もう行くことを決めてしまったのに、今から逃げ道を作るなんてできなかった。 もう帰る場所がない、そう思うことが私の力になる、そう思っていました。

いろいろすったもんだありましたが、なんとか高2の夏には渡米することになり、親に見送られながら初めて海外に一人で飛び立ったのでした。(今思えば、なんて行動力‥(笑) なんて無謀・・)

私の胸には希望と不安でいっぱい。一生あの時の気持ちは忘れることがないと思います。

さて、アメリカにて高校で当時は画期的だったIT関連のテストを受けていた時の話です。

英語は全然話せなくて、毎日、家に帰って宿題していると、窓の外は夜が明けていて、朝にはもうバスに乗って高校に行く。 睡眠はほぼバスの中で取る。そんな暮らしをしていました。

友達もまだほとんどできず、寂しさと日本のみんなはどんどん進路を決めている中で、言葉すら通じていない自分への焦り。 なんでここに来たのか・・あきらめて帰るなんてできない、なんていったって、退路を断って自ら乗り込んできたんだから!と必死で自分と戦っていました。

そんな風に毎日勉強を必死でしていると、IT関連の勉強は自分にとっては新鮮で面白くて、理解しやすかったので、なんとか同級生と同じ程度には分かってきた、そんな頃の話です。

テストがありました。 自分で言うのもなんですが、とてもよく出来たんです(めずらしく・・)

そして採点された答案用紙が配られた時のことです、私の名前の隣に100という文字に取り消し線が引かれ、なぜか採点は95点。

しかし答案はどこも間違っていないのです。 なんで?と思って、先生に質問しました。

私はどこも間違っていないのになぜですか、と。

そこで先生は答えました。 あなたは言葉も不自由で、こんな点数をとれるわけない。クラスの一番は白人生徒の98点、あなたはきっと彼女の答案をカンニングしたに違いない、だから95点。

先生も白人なのですが、アジア人の私をよく思っていませんでした。

こんな風なことが起きたら、あなたならどうします?

当時の私は悔しさで頭が真っ白になりました。

いまならきっと「どんなにカンニングしても、最高点の人より高い数字をとれることなんてないですよね! これは人種差別ですよ!」と言えたでしょう。

でも、当時の私は英語力がありませんでした。 この相手を説得させる言葉が出てきませんでした。

こんなのおかしい、こんなの絶対におかしい・・くやしさでトイレで一人泣きました。

誰にも涙を見せたくありませんでした。 

そんな悔しくて悔しくて、どうしようもない気持ち、それが実は私のさらなる勉強の原動力になりました。

悔しい思いをして、それを抗議できない自分。

内気で人前で堂々と話ができない自分。

とことん、落ち込みました。 日本にいたらこんな思いしないで楽しい学生生活できたのかも、なんて弱音を吐きそうにもなりました。

でも、とことん落ち込んでこれ以上落ち込めない状況になったときに、ふと思ったんです。落ち込んでいるだけなら、だれでもできる。でも、発想を逆転させれば、誰よりも苦しくつらい思いをしたからこそ、そこから「いつかきっと抗議できるくらいの英語力、発信力を身に着けてやる!」って思えるんじゃないか、と。

この出来事は、本当にその後の人生でもとても役に立ちました。

つらいとき、苦しいとき、悲しいとき、これを乗り越える自分を想像する。 この状況を良くしたいと誰よりも強く思えるから、誰よりも前に向かう力は強いはず!むしろ今この思いをしたのはついていた!これは自分が強くなるチャンスなんだ! 

こうやって何度も何度も乗り越えてきたことがあります。 

私がコーチングでやってみたいことの一つは、この辛い、悲しい、苦しい気持ちを抱えている方を、そのネガティブな思いが強いほど、大きく良い方向に変えていける力になるんだよーって感じてもらうこと。 

そんなコーチになれたらいいな。

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